発達障害とはどういう障害なの?

生まれつき脳の発達の隔たりによる発現する障害と考えられています

脳の機能障害によって、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、学習障害(LD)などがありますが、どれかではなく、複合的なこともあります。

定型発達であれば、成長とともに手指の機能が発達し、お箸やペン等の道具の操作や器用さが自然と身についていきますが、定型発達の子どもと同じように教えても身につきづらく、どうしても不器用さが目立ってしまう場合があります。

また、対人関係では、言葉の発達に遅れがみられるため、伝えたい気持ちが伝えられず、一緒に遊びたくても自分からお友達に声がかけられなかったり、お友達の物を借りようとしたつもりが勝手に取ってしまったと誤解されたり、語彙の少なさからつい暴言がちになってしまう場合もあります。

また、注意がいろいろな方向へ向いてしまうことから、課題に集中できなかったり、動作が雑になってしまったり、気持ちの切り替えが難しく癇癪を起してしまう場合もあるかもしれません。

しかし、それらの気になっていたことが、環境を整えることや、大人の関わり方、気持ちの整理の仕方を身につけていくことで、自分で調整する力をつけていくことができます。

発達障害の原因はなんですか?

原因はまだはっきりとしていません

発達障害を引き起こす要因やメカニズムなどは、まだはっきりと解明されていませんが、何らかの原因により、先天的に脳の一部の機能に障害があることが原因とされています。

症状が顕在化するかどうかには環境要因も関係しますが、一面的に親の育て方や愛情不足などが原因ということでは在りません。

すぐに気づくことはできますか?

見た目には分かりにくく、見えにくい障害です。

身体も成長し、すくすくと健康に生活できていると、日常生活や学習面で困難を抱えていても障害だと気づかれず、わざと問題を起こしていると誤解されることもあります。

また、お子さま自身も、困ったことがあっても「何に困っているのか」「どんなことで困っているのか」を伝えることができず、もどかしい気持ちを持っています。

そういった困りごとやもどかしさをそのままにしておくと、周囲の大人たちが「できない子」「困った子」と誤解をして強く叱ったり、他のお子さまと比較することで、お子さま自身も「自分はダメな人間なんだ」と自信を喪失し、引きこもりやうつなどの、二次的な障害に発展してしまうこともあります。

そうした事態を避けるためには、発達特性を理解できる支援者が幼少期から丁寧に寄り添い、向き合っていくことが大切であり、一人ひとりの強みを活かし、スモールステップを踏んでいくことで「自分でもやればできる」という自己肯定感を高めながら「生きる力」を育んでいくことが重要になっていきます。

もしも、発達状況が分かりづらい場合

特に小さければ小さいほど、「それが定型発達なのか?」「単に成長がゆっくりなのか?」ということが判断しづらい面があります。

障害の特性があってもなくても、発達が心配だったり、本人が苦手なことがあったり、どうしたら良いのかわからないなど心配があるときは、まずは気軽にご相談ください。

どのように対応していけばいいの?

早期療育の大切です。

早期から療育することで症状をある程度緩和させることができると言われています。

幼少期はあまり気にならなくても、就学以降になって困りごとが顕在化してくることがあり、その時から療育を始められるケースがありますが、就学以降は、お子さまの行動パターンが定着していることが多く修正が効きづらい状態になっていることがあります。

気になる行動が定着する前に、気になったその時から療育を始めることで、お子さまにとって良い行動パターンを習得し、就学に向けた準備をすることができます。

発達障害は完治できるものではありませんが、保護者や家族、周りの方の理解と協力のもと、早期より適切な知識を身につけ、適切なサポートを行っていくことが大切と言えます。

ぜひ、お子さまや親御様の気持ちを汲みながらニーズを整理し、就学や将来を見据えた支援を一緒に考えていけたらと思います。